府立学校図書システム

大阪府立高校における、「学校図書館蔵書管理システム」について

大阪府高等学校図書館研究会
情報システム研究委員会 冨田 忍

1.これからの学校図書館のありかたと図書館のコンピュータ化の必要性

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学校図書館は、利用者が一人で読書する場 <読書センター> としての機能だけではなく、校内に各種の情報を提供する場 <学習情報センター> として役立つなど、幅広い可能性を持っています。

利用者は、学校図書館の資料から関連機関を知ったり、そこで得た情報から学校の資料で調べたり、インタ-ネットを含む各種メディアの中から情報を得たり、それらを学校の資料と比較したりと、さまざまな方法で学習や研究・調査をします。

これからの学校図書館は、<利用者が速やかに情報を手に入れて、問題解決ができ、自己表現力をつけて、現代社会を生きていく力>をつけられるように、支援していかなくてはなりません。

図書館のコンピュータ化によって、検索機能が強化されれば
学習者は、どこからでも手軽に図書館の資料にアクセスすることができる

  • 学習の幅がひろがる・学習の内容が深くなる(学習の質の向上)
  • 他者との協同学習やデイベ-トに役立つ・学習効果があがる

図書館管理機能が強化されることにより
図書館担当者は、管理運営面で省力化・迅速化・広範化が図れて

  • 貸し出し・返却・督促処理が速くなる・利用統計処理が速くなる
  • 蔵書点検などが能率的にできる・蔵書の合理的な配置ができる
  • すばやく資料を提供できる・幅広いレファレンスができる

教職員は、機能強化された図書館を利用することで

  • 教材作成のための資料へのアクセスが速くなる
  • 学習者の興味・関心が利用統計などからわかる・興味・関心にあった教材構成ができる
  • 他教科との連携や合同授業に役立つ・総合学習などの教科の枠を越えた教材ができる

利用者が増え図書館が活性化されれば、更に、利用者から様々な要求が出されると思われます。また、自校図書館以外の資料検索ができるようになれば、地域の他の学校や公共図書館との交流が活発になるでしょう。

授業や行事などの教育活動に役立ち、個人の読書活動を支援すること、これらが車の両輪のようにバランスよくまわっているのが、学校図書館の理想の姿です。

利用者一人ひとりをサービスの対象として考え、はじめて<学習センター・読書センター・情報センター>の機能を実現することができるのではないでしょうか。

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2.「学校図書館蔵書管理システム」の導入経緯とその内容

上記の事柄を達成するために、府高図研(大阪府高等学校図書館研究会)は、大阪府教育委員会に対し、府立高校図書館の情報化や図書以外のメディアの整備などを求めてきました。 (1988年発足した情報システム研究委員会を中心として)

そして、2000年2月大阪府教委による「学校情報ネットワーク」整備事業に、この要望が反映されて「学校図書館蔵書管理システム」が全府立高校の共通システムとして導入されることになりました。 (「学校情報ネットワーク」整備事業は、他県比較でも学校図書館の情報化に重点をおき、学校図書館を「高度情報通信社会の学習センター」(中教審)にすべく、一歩踏み出したものでした。)

当初から、「府立高校間の相互検索が可能なシステム」に加え、「各校の資料組織の現状に柔軟に対応できること」「データ構築にMARCが活用できること」などを、このシステムのコンセプトにして構築されています。

すなわち、次のような内容で導入されました。

  • 入力システム MARCを使って統一したデータをダウンロードできること
  • 検索システム 横断検索としてWEBによる検索ができて、学習に役立つ検索システム
  • 貸し出し・返却システム  バーコード対応であること
  • 管理システム  蔵書点検等が合理的・省力的にできること
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  <2011年度までの学校図書館管理システムの概要>
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<2012年度からの学校図書館管理システムの概要>は、<大阪府立高校の図書システム>[pdfファイル 1951KB]
からご覧ください。
( これは、2012年7月25日の本研究会第1回例会で、富士通マーケティング株式会社 の担当者によって紹介されたものです)

現行の図書システムについては こちら をご覧ください。

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