平成29年7月4日(火)奈良育英中学校・高等学校の図書館にて研修会を開催しました。
司書教諭の細川恵利先生より「教科横断型授業の実践と学校図書館の役割」というテーマで言語技術科の取組について実践報告をいただきました。
学校司書として読書指導をされ、更なる可能性を探っている中、校長先生からの働きかけもあり2015年度より「言語技術科」が設けられ教科横断型の授業に取り組まれています。
言語技術科は各教科から教員が一人ずつ加わり、つくば言語技術研究所の三森ゆりか先生による『言語技術のレッスン』をテキストとして使用されています。
三森氏が提唱する言語技術教育の内容の一部を参加者間での「問答ゲーム」という問答のトレーニングを通して学ぶこともできました。また『読書へのアニマシオン』の紹介から「言語技術」へのつながりへも教授いただきました。
そして、高校3年生の「言語技術」のシラバスを例にした報告では、卒業論文集の完成を目指して進む中でのプレゼンテーション大会の様子を動画で紹介もいただきました。
これらの取組に伴い、高校3年生の貸出が4年前に比べて4倍以上の増加があったとのことです。
実践から見えるものとしては、司書教諭は複数いてもよく、司書も多くいることの必要性も説かれていました。ただ、多忙になることの課題なども提起いただきました。
質疑応答でも教員の研修機会やプレゼンテーション大会への報償を始め、評価の仕方、ICTの活用、調べ学習のツールなど幅広い質問に丁寧にお答えいただきました。
実践報告の後は図書館見学をさせていただき、非常に濃密な研修となりました。
細川先生はじめ、奈良育英中学校・高等学校、そして台風接近で悪天候が予想された中参加された皆様には御礼申し上げます。
ありがとうございました。
実践報告で紹介されていた関連図書・資料です
『言語技術のレッスン』 三森ゆりか著 筑波言語技術研究所
『学生のレポート・論文作成トレーニング』改訂版 桑田てるみ著 実教出版
『読書へのアニマシオン ―75の作戦』マリア・モンセラット サルト著 柏書房
『2020年の大学入試問題』石川一郎著 2016年刊 講談社現代新書
*当日のプレゼンテーション資料はこちらから。